フラッシュバックを理解する


自分でも、性格の問題だと思っていました。
カウンセリングをしていると、
辛くなったり
苦しくなるような感情問題が、
傷つき体験からくる
フラッシュバックによるものと知って
上のように打ち明けて下さる方は
少なくありません。
フラッシュバックの問題で
一番大切なことは、
「フラッシュバックが起きている」
ということを、
理解できることにあります。
| 性格の問題だと誤解される |
「フラッシュバックとトラウマ」で
詳しく記しているように
多くのフラッシュバックでは、
傷つき体験からくる
感情や感覚だけが
反復想起されるために
いま起きている心理的反応が
フラッシュバックであるとは、
ご本人にも分かりません。
そのため
フラッシュバックからくる反応が
「性格の問題」と誤解されることが
起きてきます。
神田橋條治・精神科医/心理療法家
パニックや衝動行為・行動がみられたときには、フラッシュバックではないかと、まず考えてみてください。
フラッシュバックという言葉が映画に由来するので、視覚イメージだとみんな思っているでしょ。
そうじゃないんですよ。
● ●
それはなにも
ご本人ばかりではありません。
何かのきっかけで
カウンセリングに行ったり
クリニックを受診された場合にも、
フラッシュバックであることを
見落とされてしまうために
「性格の問題」だとか
「考え方の問題」とされてしまう事が
とても多いように思います。

| 重ね着反応 |
フラッシュバックを
更に分かりにくくさせるのは、
フラッシュバック反応を避けるために
無意識に身に付けた行動や意識が
服を重ね着するようにして
覆っている場合が、あるからです。
もちろんご本人自身は、
フラッシュバックだと
分かってはいませんが、
フラッシュバックが引き起こされると、
ひどく辛く苦しい気持ちに
直面しなくてはなりません。
そのため
避けようとする意識や行動パターンが
無意識のうちに
作られてくることがあります。
| ランダムな絵模様のように |
カウンセリングでは、
それらが、ご相談者のお話の中で
紙にランダムな模様を描くようにして
語られることになります。
ですので、お話をじっくり伺いながら
ご一緒に詳しく整理し
そして、
焦点を捉えてゆくような術がないと
「性格の問題」というふうに、
ひと括りな話に、なってしまいがちです。
| 人生への負荷の違い |
フラッシュバックの背後には
傷つき体験と繋がるような状況
(これをトリガーと云います)
に接すると
トラウマ感情が反復想起される、
という心のメカニズムがあります。
そうしたトラウマとなるような
傷つき体験は
幼い頃、子どもの頃に
限ったものではありません。
思春期や成人してからでも
トラウマ体験は作られます。
しかも、トリガーとなるものは
多くの場合〝些細な事〟のために
ご本人自身も分かりません。
●●
このようなトリガーに
たとえば、
数年に一回くらい
なにかの拍子に遭遇する
・・・というものでしたら
人生や生活への負荷や影響は
殆どないかも知れません。
しかし、たとえば
仕事の場で遭遇するようなもの。
人間関係の場で
生じてくるようなもの。
・・・というときには、
頻度が少ない場合であっても
人生への質的な影響は
大きなものになるかも知れません。
人間関係といっても
一般的な人との関係では
殆ど遭遇することはないけれど
とても親密な関係・・・
たとえば、
恋人関係とか夫婦関係になると
遭遇するようなトリガー
というケースもあります。
●●
フラッシュバックによる反応のために
たとえば、
転職を繰り返すことになったり。
関係が壊れるきっかけになったり。
怒りの発作に襲われることで、
口論やトラブルのきっかけになったり。
精神的に不安定になったり。
人との親しい関係作りを
避けるようになったり。
・・・という場合もあります。
このように
ひと言でフラッシュバックと云っても
人生への負荷は、違ってきます。
カテゴリー【心と身体】



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