〝大問題〟からではなく


□ カウンセリングの話

小さな変化
ほんの少しの違い・・・
その意味と価値とを

カウンセリングでは
大切にしていきたい、と思っています。


| 先入観のいろいろ |

多くの方のお話を伺っていると

カウンセリングに対して
いろいろな先入観があるようです。

そうした先入観のひとつに、

自分の問題と向き合わなくてはいけない
・・・というものがあります。

自分の問題と向き合うことが必要。
 辛いかも知れないけど、向き合うべき

そうアドバイスされて
カウンセリングに申し込みました・・・

そうおっしゃる方がいる程です。


| 向いていない言葉 |

しかも・・・
これはわたしだけの
印象かも知れませんが、

向き合う」という言葉には
対象に対して
親和的なニュアンスというよりも、

どちらかというと
ファイティング・ポーズだったり

挑んでゆく・迫ってゆく時の姿勢を
連想してしまうのです。

むしろ、カウンセリングには
向いていない言葉かも知れません。

| ほんの少しだけ変わる |

わたしは時折、
こう申し上げることがあります。

ご自分の〝大問題〟を
 直接さわらなくて大丈夫ですよ
」と。

つまり、それとは関係なさそうに見える
いろいろな事柄を
一緒にお話ししながら
少しずつ整理・消化してゆくうちに

なんとなく、いつの間にか
全体が動いてゆく・変わってゆく
・・・ということが、

人の心や内面には
起きてくるからです。

別の言葉に云い直すなら、
「少しずつ楽になっていく」
とも云えるかも知れません。

何故そうなるかは分かりませんが

長いカウンセンリグの経験が
それを教えてくれます。


| 心の中はつながっている |

心の中に在る様々な事柄は

たとえば、太陽系の星々のように
見えない糸で
つながりあっている・・・

自分にはそれが
見えないだけかも知れません。

少しずつ、自分の感情や考えを再認識できて、これまで別々に感じていたものが、自分の中で繋がってくるように思います。

そう語る方がいらっしゃいます。

つながり合っているからこそ、

ほんの小さな変化
ちょっとした違い
その積み重ねがいつの間にか
全体を動かしてゆく・・・。


| 鎧のあるところ |

それに「大問題」というのは

ことばを換えると
〝硬い鎧〟のあるところ
・・・なのかも知れません。

しかも「鎧」とは

その人にとって
何かとても必要があるからこそ
鎧として存在しています。

しかも、その「必要」というのは
雨が降りそうなので傘を持っている
・・・というような

分かりやすく整合的で、目に見えるもの
・・・ではないところに
その特徴があります。

ですから、それを無理やりに
「取り除こう・なくしてしまおう」
とすることは

大変な間違いになります。

鎧というものは、
必要のなくなった部分から
自然に取れてゆくことが、大切です。


| ささやかなところから |

ささやかな事柄から始めていく。

全体が、少しずつ動いてゆく。

小さな変化・ほんの少しの違いを
大切にしながら。

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