

小さな変化
ほんの少しの違い・・・
その意味と価値とを
カウンセリングでは
大切にしていきたい、と思っています。

| 先入観のいろいろ |
多くの方のお話を伺っていると
カウンセリングに対して
いろいろな先入観があるようです。
そうした先入観のひとつに、
自分の問題と向き合わなくてはいけない
・・・というものがあります。
「自分の問題と向き合うことが必要。
辛いかも知れないけど、向き合うべき」
そうアドバイスされて
カウンセリングに申し込みました・・・
そうおっしゃる方がいる程です。

| 向いていない言葉 |
しかも・・・
これはわたしだけの
印象かも知れませんが、
「向き合う」という言葉には
対象に対して
親和的なニュアンスというよりも、
どちらかというと
ファイティング・ポーズだったり
挑んでゆく・迫ってゆく時の姿勢を
連想してしまうのです。
むしろ、カウンセリングには
向いていない言葉かも知れません。

| ほんの少しだけ変わる |
わたしは時折、
こう申し上げることがあります。
「ご自分の〝大問題〟を
直接さわらなくて大丈夫ですよ」と。
つまり、それとは関係なさそうに見える
いろいろな事柄を
一緒にお話ししながら
少しずつ整理・消化してゆくうちに
なんとなく、いつの間にか
〝全体が動いてゆく・変わってゆく〟
・・・ということが、
人の心や内面には
起きてくるからです。
別の言葉に云い直すなら、
「少しずつ楽になっていく」
とも云えるかも知れません。
何故そうなるかは分かりませんが
長いカウンセンリグの経験が
それを教えてくれます。

| 心の中はつながっている |
心の中に在る様々な事柄は
たとえば、太陽系の星々のように
見えない糸で
つながりあっている・・・
自分にはそれが
見えないだけかも知れません。
少しずつ、自分の感情や考えを再認識できて、これまで別々に感じていたものが、自分の中で繋がってくるように思います。
そう語る方がいらっしゃいます。
つながり合っているからこそ、
ほんの小さな変化
ちょっとした違い
その積み重ねがいつの間にか
全体を動かしてゆく・・・。
| 鎧のあるところ |
それに「大問題」というのは
ことばを換えると
〝硬い鎧〟のあるところ
・・・なのかも知れません。
しかも「鎧」とは
その人にとって
何かとても必要があるからこそ
鎧として存在しています。
しかも、その「必要」というのは
雨が降りそうなので傘を持っている
・・・というような
分かりやすく整合的で、目に見えるもの
・・・ではないところに
その特徴があります。
ですから、それを無理やりに
「取り除こう・なくしてしまおう」
とすることは
大変な間違いになります。
鎧というものは、
必要のなくなった部分から
自然に取れてゆくことが、大切です。
| ささやかなところから |
ささやかな事柄から始めていく。
全体が、少しずつ動いてゆく。
小さな変化・ほんの少しの違いを
大切にしながら。
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