
カウンセリングへの先入観
ご相談者のお話をうかがっていると、
カウンセリングへの先入観というものが
いろいろとあるようです。
その中のひとつに、
「自分の問題と向き合わなくてはいけない」
というものがあります。
「辛いかも知れないけど、自分の問題と向き合うべき」
友人にそうアドバイスされて
カウンセリングに申し込みました。
実際に、そうおっしゃる方がいます。
この場合の「向き合う」とは、
「直視する」「逃げずに考える」
そのような意味になると思います。
カウンセリングには向いていない言葉
わたしだけの印象かも知れませんが、
この場合の「向き合う」という言葉には
親和(しんわ)的なニュアンスではなく、
どちらかというと
挑んでゆく、迫ってゆく時の姿勢を
連想してしまうのです。
むしろ、カウンセリングには
向いていない言葉かも知れません。

カウンセリングが持つ深い意味 :
大問題には触れない重要性
ご相談者に対して、
こんなふうにお伝えすることがあります。
「ご自分の〝大問題〟を
直接さわらなくても大丈夫です」
つまり、いろいろな事柄を
一緒にお話ししながら
少しずつ整理・消化していくうちに、
知らずしらずのうちに、
何かが少しずつ変わってゆくことが
起きてくるからです。
長いカウンセリングの経験が
それを教えてくれています。
豊かな自己理解につながるカウンセリング
少しずつ自分の感情や考えを再認識できて、これまで別々に感じていたものが、自分の中で繋がってくるように思います。
ご相談者の言葉
カウンセリングの中で
そう語る方がいらっしゃいます。
別々の無関係な事柄として
頭や心の中に散らばっていたものが、
少しずつ、関連性を持ってつながっていく。
バラバラに転がっていた体験が、
自分の中で、ある意味を持ったものとして生まれ変わっていく。
こうした発見(気づき)が、
自分自身への理解を広げてくれます。
それは「自分の問題と向き合う」よりも
もっと豊かな自己理解・自己発見へと
つながるものかも知れません。
鎧 (よろい) のあるところ
それに〝大問題〟というのは
ことばを換えると
〝硬い鎧〟のあるところ・・・
そう考えることもできそうです。
しかも「鎧」というものは
その人にとって
何かしら必要があるからこそ
鎧として存在しています。
そして、その「必要」というのは
「雨が降りそうなので傘を持っている」
・・・というような
整合的で目に見えて分かりやすいもの
・・・ではないところに
その深い意味がありそうです。
ですから、それを無理やりに
「取り除こう」「なくしてしまおう」
などとすることは、大変な間違いになります。
鎧というものは
必要のなくなった部分から
自然に取れていくことが、大切だからです。
ささやかな事柄から始めていく。
全体が、少しずつ動いてゆく。
小さな変化・ほんの少しの違いを
大切にしながら。
カテゴリー【変わるということ】
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