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「小さな気づき」について
この記事では
小さな気づきについて触れています。
特に、カウンセンリグで経験する
〝小さな気づき〟が持つ大切な意味を
カウンセラーとしての経験から、お伝えしています。
カウンセリングの解説や本には
「変化・変容」という言葉が
よく書かれています。
しかし、そうした「変化」と言われるものには
実は〝小さな気づき〟が
とても大切な役割を持っています。
そのことを、
カウンセリングでの経験を通して
お伝えしたいと思います。
カウンセリングでの変化 : 〝小さな気づき〟がもたらすもの
カウンセリングでの「変化」と
一般に云われているものは
小さな気づきの積み重ねによって生まれてくるものです。

小さな気づきと小さな変化
「小さな気づきの積み重ねから生まれる」
というのは
次のような意味があります。
小さな気づきが、
自分自身では意識されないような
小さな行動変化を促し、
その小さな行動変化から経験する何かが、
今度は自分自身へ小さな影響を与え
・・・という、意識されない小さな連鎖。
その積み重ねによって
カウンセリングによる「変化」というものに、至ることになります。
小さなことを積み重ねていくのが
思いもかけないところに行く、ただひとつの道だと思う。
イチロー 元プロ野球選手
つまり、突然「大きな気づき」が訪れて、
それによって「劇的な変化」が生じる
・・・というものではありません。
道端に咲く小さな草花
道端に咲く小さな草花が
誰の目にも触れずにいるように、
自分の足元で生まれる
小さな気づきによる小さな変化を、
わたしたちは気づかずにいます。
もともと「変化」というものは
本当は本人自身では気づかない・意識できない性質のものです。
何故なら、ひとつには
変わった時には、もうそれが自分の「あたりまえ」になっているからです。

ご相談者との対話 : 気づきの意味とは
ですので、時折ですが
ご相談者との間で、このようなやり取りが、交わされることがあります。
ご相談者
わたしは本当に変わっていけるんでしょうか?
そんな時
こうお伝えすることがあります。
「○○さんは、もうすでに何かが変わっているはずです」
「たとえば今日にしても、この部屋に入っていらした時とは、もう何かが変わっている」
「何故かというと、○○さんはお話しをしている中で(あることの)気づきを得た。
その気づき自体は小さな事柄かも知れません」
「でも、その気づきがご自分にとって、確かに〝腑に落ちるもの〟であるなら、もう気づく前の自分とは、なにかが違っているはずです」
「気づきとは、そういうものです。
気づいたら、もう気づく前には戻れなくなるのです」
下の文章は
ご相談者の方が書いて下さった体験手記からのものです。
書いていたらいろいろ思い出してきて、
これまで、いろいろなことに気づき、変ってきている自分がいて、逆にあの頃の自分が懐かしくさえ思えました。
ご相談者の体験手記から
最後に、
世界的な数学者だった岡 潔(きよし)の言葉を、添えたいと思います。
人が何かを理解するとき、単なる計算や分析の結果ではなく、
心の奥底で「そうだ」と腑に落ちる瞬間がある。これがなければ本当の意味での知恵にはなりません。
岡 潔 (1901-1978)

よくある質問(FAQ)
Q : カウンセリングで言う〝気づき〟とは、どういものですか?
A : カウンセリングでいう「気づき」とは、「そうか・・・」「そうなんだ・・・」という腑に落ちる実感を伴った直観的認識のことで、たんなる知識の上書きではなく、心の視界を広げてくれる作用を持つもの、をいいます。
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