『心のパターン』について: 気づくことで変わるもの

こころの物語

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心のパターン』をご存じですか?

心のパターンとは
ある共通した状況になると
決まったように繰り返している意識や行動のことです。

ほとんど誰もが持っているものです。

しかし、自分が抱えるパターンを
自分自身で気づくのは、とても難しくなります。

そのため、心のパターンによって
生きづらさを生んでいる場合でも
繰り返しから抜け出せずにいることがあります。

カウンセリングでの経験から
心のパターンとはどういうものか」
そして、
それに「気づき・理解することで変わってゆく」ということを、お伝えしたいと思います。

ご一緒に考えていけたら幸いです。

Image for decoration(草原の二匹の蝶)

カウンセリングでの気づき : 心のパターンとはどういうものか

カウンセリングでお話を続けていく中で
気づいていくものの一つに
心のパターン』というものがあります。

ご相談者の言葉に見る心のパターン

心のパターンとはどういうものかを
具体的にお伝えするために
ご相談者ご自身の言葉をお借りします。

掲載は了解をいただいたものです。

先生とカウンセリングをやってきて
優しくされたり大事にされることに拒否感があって、落ち着かなくなるんだ」ということに最近気がつきました。優しくされない大事にされない環境を自分が選んできたのかも知れない
頑張る自分も嫌いではないけど、つらい気持ちを頑張るエネルギーにしているのは、余りいいことではないな、と思うようになりました。


(職場や仕事で、上司や同僚から)
頼りにされたい、期待されたい。そして、その期待に応えて評価されたい・・・そうした気持ちが、自分の心の奥にはあるような気がします。
誰しも大なり小なりそれはあるでしょうが、私の場合ほんとうは過剰なくらいに、あるんだと思います。
前の仕事ではそれが自分で自分を追い詰めていく形になって、うつ状態にまでなってしまった、ということなのかも知れません。

Image for decoration(一輪の白い花)

わたしたちには
生きてくる中で身に付けるようになった
心のパターン』というものがあります。

心のパターンと性格とは別のものです。

むしろ「反応」のようなものに
よく似ているかも知れません。

どうしてそうするのか・・・
どうしてそう考えるのか・・・
もちろん、付けようと思えば
理屈や理由はいろいろ付けられますが
よくよく考えてみると、本当は
自分でもよく分からなかったりします。

image for decoration(風の舞う紅葉の葉)

心のパターンによる生きづらさ

心のパターンとは
現われ方の違いはあっても
実は、多くの人に存在するものです。

そして、抱えているパターンによっては
物事が上手くいかなくなる場面だったり、
生きづらさを感じる出来事に
強く関わっている場合があります。

しかし、心のパターンは
自分の意識と行動に深く結びついたものゆえ
自分で客観化することは難しく
どうしても繰り返していくことになります。

Image for decoration(白と水色の花)

理解することで変わってゆく

たとえば、
このような心のパターンを
胸の奥にお持ちの方もいらっしゃいます。

いつも自分自身でなければいけない。
いつも正直な自分でありたい

でも、ご自分自身では
自分の中に、そうした強い思いが存在していることを、
自覚してはいらっしゃいません。

そして
「いつも自分自身でなければ」
「いつも正直な自分でありたい」
・・・という思いや行動によって

かえって、仕事の場や人との関係で
損をしてしまったり。

時によっては、
不本意な立場に立たされることが
起きてくることがあります。

そうした経験をするたび
理不尽りふじんに思う気持ちを味わい

自分なりに頑張っているのに
どうして、わたしばかりが
・・・という思いに苦しめられます。

しかし、ご自分の中に存在する思いに気づき
そして、ご一緒に理解してゆくことで

大切な思いは、そのまま大切にしながら
折り合いをつけられる生き方へと

少しずつ、変わっていかれる方が
いらっしゃいます。

そういう要領のいい生き方は、ずる賢いように思えて、すごくキライだったけど、最近そういう生き方の良さみたいなものも、少しだけ認められるようになってきた。


Image for decoration(シロツメクサと蝶の絵)

大切な心の歴史 : それが必要だったわけ

こうして振り返ってみると、男性とお付き合いをしている時にも、自分に何か出来ることはないだろうか、苦しんでいる彼をなんとかしてあげたい、ということばかり考えていた気がします。
趣味も違うし、話をしていてもあまり楽しいと思えないのに、なぜか与えられた役割を一生懸命演じているような自分がいます。

ご相談者のお話

心のパターンとは、生きてくる中で
何かやむを得ない理由があって
あるいは
ご自分にとって何か必要な訳があって
身に付けるようになったもの・・・。

必要だからこそ身に付けるようになった
・・・という心の歴史が
かならず存在すると思います。

しかも、その〝必要〟とは
雨が降りそうなので傘を持っている
というような

整合的で分かりやすいもの、とは
少し違うものかも知れません。



白いキャンパスにもう一度・・・

ただ、確かに以前までは
もしかすると〝あの頃〟までは
必要なものだったのかもしれません。

けれども、今のあなたには
もう必要のないものかもしれない。

本当は、もう大丈夫なのかも知れません。


ご一緒に振り返り、考えていくことで
変わってゆくものがあります。

白いキャンバスに、言葉で
もう一度絵をえがき直してみること・・・

それは
カウンセリングで大切にしていることです。

白いキャンバスの絵

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