本当の「変わる」とは? : 実際のカウンセリングで分かること

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Image for decoration(秋の落ち葉と木の実-変化の象徴)

自分を変えたい
という気持ちを持つことがあります。

ではそもそも、『変わる』とは
本当はどういうことなのでしょう?

このページでは
カウンセリングの実際の経験から見えてくる
変わってゆくときのあり方・姿
について
ありのままにお伝えしています。

特に「自分を変えたい」と考えながらも
迷ったり立ち止まっているかた
最後まで読んでいただきたい内容です。

Image for decoration(遠くを見つめる男性の横顔シルエット)

「変わる」とは本当はどういうこと?

〝変わる〟にみえる共通する姿

カウンセリングでお話をうかがっていると
時々、このような訴えを
お聴きする機会があります。

自分を変えたくて、自己啓発やメンタル関係の本を読んだり、ネットを参考にしたりして、自分でいろいろやってみたけど行き詰まってしまった。

もちろん〝変えたい〟とする中身は
皆さん一人ひとり異なります。

でも興味深いことに

わたしがカウンセリングを通して目にする
変わってゆくあり方・姿というものには
深く共通したものがあります

その共通するものについて
お伝えしたいと思います。

どうかお付き合いください。

Image for decoration(野の花-自然な成長の象徴)

ご相談者の言葉で教えられたこと

初期の頃の印象深い出来事

カウンセリングを始めて間もなくの頃
ひとつの印象深い出来事がありました。

ある女性のご相談者が
こんな話をされた時のことです。

面談を続けてきて最後の頃です。

自分が変わる時には、きっと厚い雲を突き抜けて、目の前にパッと青い空が広がるような、解放されるような感じになるんだろうなって、カウンセンリグを始める前には考えていたけど、そういうものではないんだなって、思うようになりました。

とても楽になった感じがあります。でもこんな楽でいいのかなって、まだ思うときがあるんです。

このお話が
いまもわたしの心に強く残っています。

その後も、ご相談の中身だとか
面談回数の違いはあっても

幾人かの方から
やはり同じような内容のお話を、お聴きする経験をしました。

「あたりまえ」になること

こうした経験をしていく中で
わたしは、いつの間にか
こう申し上げるようになっていました。

変わるっていうのは、たとえて云うと〝あたりまえ〟に、なることかも知れませんね

「あたりまえ」とは、あくまでたとえですが
でも、なんだかこの表現がしっくりくるのです。

変わるとは、ひとつの旅のように

申し上げるまでもなく、
どのカウンセリングのプロセスにも
〝ひとつの旅〟に似た道行みちゆきがあります。

たとえば、「青森市」まで行くとします。

青森県内から出発する人もいれば、
秋田や山形
仙台や長野、遠くは大阪から出発する人も、いらっしゃるかも知れません。

それぞれに
道も違えば見える景色も違う
その人だけの〝旅〟があります。

実際のカウンセリング体験から

たとえば最近も
次のようなお話を、お聴きする機会がありました。
5回目の面談のことです。

Image for decoration(紅茶を飲む女性・静かな時間の中での変化)

もし、ずっと悩んで来たことが気にならなくなって、変わることができたら、生まれ変わったようにパ〜ッと明るい気持ちになるのかな、って思っていたけど・・・変わるっていうのは、ネットで云われているのとは違うんですね。
何かあるといつも考えていたことなのに、最近では殆ど思い出さなくなったのが不思議です。

image for decoration(紅葉-変わってゆく季節)

自然に変わってゆく:
カウンセリングで生まれる心の変化

カール・ロジャースの本を読んでいて

カール・ロジャースの
『クライアント中心療法岩崎学術出版』を読んでいた時のことです。

カール・ロジャースは
カウンセリングの世界で今も深く尊敬されている人物です。

その彼の著作の中に
これまでしるしてきたことと
同じ意味のことが語られている個所を発見して、
少し驚いた経験をしました。

それはロジャースが論じた文章ではありません。

三十代後半のクライエントの女性が
カウンセリングを終えた三ヶ月後に
自らの体験を振り返る文章の中に、出会ったものです。

面談は、計8回をもって終えています。
彼女はこう記しています。

多少落胆していたのは、改善への兆しが自分では見えてこなかったことです。
わたしは、変わるというのは「ああそうか !! 」の連続で、心に刻み込まれるようなものだと、期待していたのです。

そのため、まったく自然な形で自分に生じていた変化を、最近まで気づかずにいました。
余りお喋りではなくなって、とても楽になり、大勢の中で目立とうとする傾向もなくなりました。そんなふうに変わってきたことを、ちょっぴり寂しく感じられるくらいです。

自分がこんなにも変わりつつあることに突然気づき、とてもいい気分でした。
そして以前までのように自分のことを過度に意識することなく、人に対して関心を向けられるようになりました。


カウンセリングで生まれる変化とは
意識の奥深くで始まり、
そして、自分自身でも気づかない心の深くで動いてゆくもの
・・・なのかも知れません。


image for decoration(蝶-変化と成長の象徴)

よくある質問(FAQ)

変わりたいと思っているのに変われないのは何故?

本当に変わるというのは、意識の奥で始まり、心の深くで動いてゆく静かなプロセスです。力ずくで変わろうとしても必ず無意識の抵抗が生じて、変われない原因となります。

本当に変わるとは、どういう状態?

たとえて云うと「あたりまえ」になるような状態です。劇的な解放感ではなく静かな落ち着き、という感覚かも知れません。「楽になる」ということが一つの指標です。

変化を実感できないことがあります。

おっしゃるように自分では気づかない場合が多くあります。何故なら変わった瞬間から、もうそれが自分の「あたりまえ」になるからです。でも、本当に変わっているなら、ふとした時に改めて振り返ると、何かに気づくはずです。

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