対話によって啓(ひら)かれていくもの ― カウンセリングの「対話」と心の世界

カウンセリング Essay

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『カウンセリング 森のこかげ』です。

〝対話〟とは
心の世界へのアクセスを可能にするもの

この記事では、
カウンセリングにおける〝対話〟というものの本質について、触れています。

とても短いエッセイですが
お読みいただけたなら幸いです。

心が存在する

心というものが存在します。

「こころ」の状態は神経系・免疫系・内分泌系を通して身体に影響を及ぼし、
種々の病気を発症させます。

国立精神・神経医療研究センター
心身医学研究部

これは、医療という枠の中での言葉ですが
目には見えない「心」というものの存在について、改めて気づかせてくれます。

カウンセリングという関係の中では、
医療という枠を超えて
さまざまな経験をすることになります。

そして心は、目にも見えず
手で触れることはできないけれど
カウンセリングを長く続けてくる中で
心というものを
深く静かに実感していくことになります。

そして同時に、
臨床としてのカウンセリングを続けてくることで
次のような思いにも至るようになります。


こころ (心) の世界には
〝対話〟によってしか届かないもの。
〝対話〟によってしか
 触れることのできないものが存在する。


カウンセリングの実際の経験が
このような思いに導いてくれます。


カウンセリングにおける傾聴と対話 : 対話的関係の世界

〝対話〟によってしか届かないもの。
〝対話〟によってしか触れえないもの。

〝対話〟という言葉を、括弧付きで記すのは、
カウンセリングにおける〝対話〟は、
わたしたちが日常「コミュニケーション・会話」と呼んでいるものとは、かなり質の違うものだからです。

ですので、外から見ているだけ、
そばで聞いているだけでは
ご相談者とカウンセラーの内側で何が生まれているのか、
理解することは難しいかも知れません。


対話的出会いの中で

そのような〝対話的関係〟から生まれる
カウンセリングの世界を
バフチン (ロシアの文芸評論家)にならって
このように表現することができそうです。

ミハイル・バフチン 1895-1975
それは、二つの意識が対話的に出会う一点で演奏される〝生きた出来事〟である。


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