カウンセリングでお話しをしていく意味とは
| はじめに |
カウンセリングをしていると
「なにかアドバイスをもらいたい」として
面談の申し込みを
いただくことがあります。
あるいは、お話しをしている中で
「・・・だとしたら
どうしたらいいでしょう?」
そう訊かれることが、時折あったりします。
しかし、尊敬する神田橋條治氏が
このように注意を促しています。
誤った認識をもとにして、正しく考えてゆくと、必ず間違ったことにしかならない。
そして、このようなことは
様々な場面でとても多く起きています。
違う風景が見えてくる時
「どうしたらいいか」を考えてゆく前に
とても大事なことがある
・・・ということが
カウンセリングを長く続けていると
よく分かってきます。
それを分かりやすく申し上げると
(ご相談者の語るエピソードや問題が)
〝それはどういうことなのか〟
あるいは
〝本当はそこで何が起きていたのか(いるのか)〟
ご一緒に整理しながら
改めて理解し直してゆく
・・・ということになります。
| 新しい目で理解し直す |
たとえば、先日も男性(Aさん)との面談で
Aさんの中では
「これは、こういう意味だ」
「○○だから、こうなるんだ」というふうに
ご自分の中で考えや意味付けが
長年の間で出来上がっていた夫婦関係でしたが
ご一緒に振り返りながら考えてゆく中で
まったく違った風景が見えてきた
・・・ということがあります。
「そういうふうに考えてみると
むしろ、いろいろな事が腑に落ちてくる」
・・・そう述懐されていました。
あるいは、B子さんとの面談では
ご自分で本を読んだり
ネットにあがっている動画を見たり、して
「自分が○○なのは、こういうことが原因だ」
「それを解決するにはどうしたらいいか」
・・・というふうに
理解がされていたことでしたが
ご一緒に整理しながら考えてゆく中で
別の意外な事柄が
深い意味を持つものとして見えてきた
・・・ということがあります。
しかし、このようなことは
カウンセリングでは珍しい事ではありません。
| 暗闇に明かりをともす |
それはどういう事なのか
・・・ということを
よく理解し切れていない中で
「どうしたらいいか」を考えることは
何も見えない暗闇のなかで
「どっちへ行けば出口に出られるか」と
問うている姿に似ています。
私のカウンセリング経験から申し上げると
整理や理解の深さに応じて、自ずから
それはどういうことか・・・
どんな事が起きているのか・・・
あるいは
どうすればいいか、が見えてくるものです。
上に記したことは
〝自分自身〟について考える時にも
少しも変わらないと思います。
誤った認識をもとにして、正しく考えてゆくと、必ず間違ったことにしかならない。
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