神経症のカウンセリング :
森のこかげ
神経症の症状に悩んでいて、
カウンセリングをお考えの方、
カウンセリングをお探しの方に向けて、
「森のこかげ」がお伝えしています。
『カウンセリング森のこかげ』は、
品川区の大井町に相談室を持つ
カウンセリングルームです。
専門のカウンセリングルームとして
二十年続けてきました。
この記事では
カウンセラーとしての経験に基づいて、
神経症のカウンセリングで
特に大切になる幾つかのことを、
改めてお伝えしています。

神経症の症状とは、
その人なりの背景や理由があるもの
・・・多くの場合そう言われています。
ですので、カウンセリングでは
症状のことばかりではなく、
たとえば、
身の回りの出来事や
感じたり考えたりしたことなど、
いろいろなことを話し合いながら
進めていくことが大切になります。
「病院のカウンセリング時には
」
症状の話ばかりだったので、つらくなってしまって
そう打ち明けてくださる方がいます。
あなたが少しずつ
楽になってゆくこと・・・
「森のこかげ」のカウンセリングが一番大切にしていることです。
神経症のカウンセリング :
ご相談者が語る複雑な感情
私たちの心は一色ではなく、
いろいろな色が溶け合って
ひとつになっています。
神経症のご相談でお会いしていると、
ご相談者の方から、時々
複雑な感情や思いを、お聴きすることがあります。
下に記した言葉は、
筆者とのカウンセリングの中で
ご相談者の方たちが、実際に語ってくださったものです。
落着いてきて (症状が) 気にならなくなってきたら、自分の中がカラッポになってしまったような、ひとりぼっちで暗闇に落ち込んでしまったような、そんな気持ちになってしまいました。
もうこれ以上良くなりたくない。
良くなりたいと思っているはずなのに (神経症の症状が) なくなったり、軽くなったりしていくのが、とっても不安なんです。
お読みになって意外に思われますか ?
たとえば、
過食嘔吐に悩んで
カウンセリングにいらしていた方が、
過食嘔吐が随分と改善していった頃に
久しぶりに思いっきり食べて吐いたら、まだこんなに吐けるんだと思って安心した。
そう打ち明けてくださる方は、
お一人やお二人ではありません。
神経症のカウンセリング-
気持ちを整理しながら
様々な気持ち(心の色)と出会いながら、
少しずつ整理し、消化してゆく ・・・
このことは、カウンセリングでは
とても大切なことになります。
なぜかというと
神経症の症状の場合には、
心と症状とが、
影と形のように
寄り添いあっている場合があるからです。
ですので、
ムリに引き離そうとすることが、
むしろ逆効果になることがあります。
逆効果というのは、
症状を、より離れがたく
させてしまうことです。
心のペースを大切にしてゆく
つまり、ご相談者とカウンセラーとが
心のペースを大切にしながら進めてゆく。
これは神経症のカウンセリングでは、
まず最初に大切になることです。
たとえば、ですが
初回にいらした時には
「どこに行っても良くならない。
とにかくこの状態を早くどうにかしたい」
そう訴えていらした方が、
二回・三回とお会いしてゆく中で
「この部分は、このままでもいいんです。
でもここは、もう少しなんとかしたい」
というように
ご自分が求めていらっしゃることが
少しずつ整理されていく方も
いらっしゃいます。
ご自分の心のペースに沿いながら
ご一緒におこなっていく・・・
私の経験では、
改善への最初の一歩だと言えます。
神経症のカウンセリング :
症状ばかりに目を向けることの限界
たとえば、
著名な精神科医の神田橋條治(じょうじ)氏が、治療者に対して
次のような助言をおこなっています。
神田橋條治 精神科医
神経症のパターンや症状は、すべて好ましからざるものであると、見なされがちである。
しかし、この見方は治療には役立たない。
好ましくないとして始める治療が、どのような経過をたどるかは、すでに日常目にする通りである。
神田橋氏が語るように、
カウンセラーとご相談者の目が
〝症状を取り除くこと〟にしかない場合、
症状の持つ深い森の中に迷い込んで
道を見失うことになりかねない
・・・ということがあります。
なぜなら、
心と症状とは
寄り添いあっていることがあるからです。
〝症状の意味を大切にする〟 : カウンセリングと臨床での考え方
臨床(りんしょう)とは
聞き慣れない言葉かも知れません。
カウンセリングも臨床の営みの一つです。
そして臨床には、
『症状の意味を大切にする』
・・・そうした考え方があります。
これについては、
下坂幸三(しもさか こうぞう)氏が
次のように語ってくれています。
症状の意味を大切にするということは、治療的方法の違いを越えて、これまでは臨床の場での基本的な姿勢でした。
しかし薬物治療が全盛になった今日、精神科医療の世界では、このことが失われつつあることが心配です。
下坂幸三 精神科医・心理療法家
下坂氏が語るように、
「症状の意味を大切にする」という姿勢が、
臨床の場では大切にされてきました。
ただし、
誤解されないために申し上げると、
カウンセリングの中で
「症状の意味を考えていきましょう」
などと、やっているわけではありません。
カウンセリングでは
自由な気持ちでお話しいただくことを
大切にしています。
『症状の意味を大切にする』とは
具体的には・・・
神経症の症状とは、
なにか大切な意味があって、現れているのかも知れない。
あるいは、
なにかの必要があってのものかも知れない。
・・・このような
『症状に向ける眼差し』のことを言います。
精神科医・安永浩氏が語る事例
たとえば、著名な精神科医
故・安永浩(やすなが・ひろし)氏が
治療者への戒めとして、
次のような事例を語っています。
安永 浩 精神科医
長年の神経症症状が見事にとれて、医師・本人ともども喜んだのに、突然自殺を遂行するというショッキングな例も、実際に存在する。
治療者も完璧な者などはいません。
ただし、症状ばかりに囚われていると
心を置き去りにしてしまうことが、起きてくることがあります。
この事例では、
患者さんに『躁的(そうてき)防衛』が
起きていた可能性が考えられます。

このような事例を拝見するとき、
〝心のペースを大切にする〟ことの意味を
改めて教えられる気がします。
そして、筆者とのカウンセリングで
「症状が軽くなるのが、とっても不安」
などの気持ちを打ち明けてくださる方が、
むしろ、
とても自然なように思えるのです。
症状が抜ける
それに神経症は
「(症状が)抜ける」
という言い方がされるように、
カウンセリングでお話しをしているうちに、
気がついたら、いつの間にか
「症状が軽くなっていた」
「症状が気にならなくなっていた」
そうしたことが
自然に起きることがあります。
身体に現れる神経症
身体にあらわれる神経症の症状も
昔から知られています。
身体の機能障害(きのう・しょうがい)として生じる症状です。
機能障害とは、
肉体には、症状につながるような具体的な疾患や異常は見られず、
その動きや働きの面で、失調が起きている状態です。
こうした身体の症状として現れる神経症を、
「転換(てんかん)型」と呼んできました。
機能障害の例として、
多くの人に知られているものに
「過敏性腸症候群」があります。
腸には異常は見られずに、
下痢便秘を繰り返し、ご本人を悩ませます。
身体に現れる神経症の具体例
役者さんに見られる症状
役者さんや声優さんの中には
セリフを喋っている時に
口が思うように動かなくなる症状に
苦しむ方がいらっしゃいます。
ジストニアと呼ばれていますが、
中には、原因がよくわからず
神経症的な経緯をたどるケースがあります。
実際に、カウンセリングにお越しになる方もいます。
楽器演奏にかかわる症状
音楽大学の在学生だとか
音楽教室の先生の中には
身体上の異常は確認できずに、
楽器演奏にかかわる指や手が
思うように動かなくなる症状に悩むケースがあります。
ご本人が神経科を受診する場合もあり、
そこで精神科や心療内科を、勧められることになります。

原因不明の歩行困難から復帰へ:
田辺靖雄さんのケース
歌手の田辺靖雄さん
のケースがあります。
以下のお話は
T Vの健康関連番組で
語っていらしたものです。
ある朝、仕事に行くために
玄関を出て、歩こうとした時、両足の付け根に激しい痛みが走って、そのまま一歩も歩けなくなってしまった。
足を踏み出そうとすると激しい痛みが襲ってくる。
すぐに病院へ連れていってもらい、その日から車イス生活。
通院しながら、病院でありとあらゆる検査をしたけれど、どこにも異常が見当たらない。「原因不明」と告げられた。
そこで、すぐに入院するように言われた時、奥さんで歌手の九重佑三子(ここのえ ゆみこ)さんは、「原因が分からず、治療法もないというなら、入院させる意味がありません」と言って、自宅に連れて帰って来たと語っています。
その日から、自宅で夫婦二人三脚で養生をしていく中で、また元気に歩けるようになり、1年後に仕事に復帰したということです。
歩けなくなる暫く前から
体調の変調があったと語っています。
たとえば、あくびが出て仕方がない。
とにかくあくびが出る。
それから
歌詞が覚えられなくなっていたと言います。
「ぜんぜん歌詞が頭に入ってこなくて、ステージに出てもうまく歌えなくなっていたけど、忙しかったので、とにかく仕事をこなし続けていた」。
もしかすると、発症のしばらく前から
なんらかのストレスと心の疲労とによって
精神的葛藤(かっとう)状態に
いらしたのかも知れません。
奥さんの九重佑三子さんは、
「絶対に治る、良くなると信じていた」と語ります。
生活を共にする奥さんだからこそ、
ご主人を毎日見ていて
何かを感じ取っていたのかもしれません。
実際に、夫婦で養生といっても
お話をうかがっていると、
たとえば
奥さんがご主人にコーヒー出す時などは、
テーブルの遠くにカップを置くなどして、
ご主人に自分で歩くことを
無言で促(うなが)すことも
されていたようです。
このような接し方は
奥さんという存在だからこそ、出来ることだと言えそうです。
ただし、一見神経症ではないかと
見まがうような機能障害が、
中枢神経の疾患による場合もあるため
まず検査が必要です。
カウンセリングをお考えの方へ
『カウンセリング森のこかげ』は
東京都品川区の大井町に相談室を設け、
二十年にわたり
カウンセリングをおこなってきました。
神経症のカウンセリングの場合には特に、
ご相談者の心のペースを大切にしながら
ご一緒に考えていきたいと思っています。
「この症状を早くどうにかしたい」
そう考えている方からすると
遠回りに思われるかも知れません。
でもカウンセリングに限らず、
遠回りに見えて結局は一番の近道
ということは、意外に多いものです。
よろしければ、お待ちしています。
『神経症』という用語について
「神経症」という伝統的な用語は
現在の診断名としては
あまり使われなくなっています。
精神科医の神田橋條治(じょうじ)氏が、
診断名について次のように語っています。
神経症と呼ばれる分野は
あまりにいろいろな症状があるため、
神経症という呼び名を廃止して、症状ごとのたくさんの診断名に分けた方がよいと、考える傾向になっています。
神田橋條治 精神科医
しかし神経症という言葉は、
医療職や心理職、精神科医同士では
いまも普通に使われています。
ですので、『神経症』という名称は、
個々の症状名・診断名を越えた
共通語のようなものとしてお読みください。
必要な方に届くことを願っています。
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