不安発作とパニック症状


不安発作と不安神経症

| 急性の不安発作 |


不安発作に襲われて病院を受診したり、
救急外来を訪れる患者さんが
増えている、と云われています。

不安発作の多くは
なんの前触れもなく、

急に胸が重苦しくなったり、

急に動悸が襲ってきて
呼吸が苦しい状態になってゆく・・・。

こうした症状に
突然、襲われることです。

多くの場合、ご本人からすると
思い当たる理由がありません。

     ● ●

このような発作が
体の疾患や薬物が原因ではなく、

主として、精神的・心理的な要因が
想像される場合に

〝不安発作〟と呼ばれています。


| 小説家・宮本輝氏の場合 |



小説家の宮本輝氏が、

会社勤めをしていた時代に
不安発作に襲われた経験を
語っています。
最初は、休みの日に友達と競馬に出かける途中に、発症したんです。
電車の中でめまいと動悸が激しくなって、なんだかおかしいな、と思った瞬間に、地面の底に沈んで行くような感覚に襲われたんです。

それ以降、電車に乗っていると、頻繁にそんな症状が起きてくるようになり、そのうち電車に乗ると考えただけで、心臓がドキドキするようになって「このまま死んでしまうかも」という恐怖心が、生まれるようになっていきました。

「もう会社に通うのは無理、サラリーマンは向いてないんじゃないか」と思い始めました。
宮本輝・小説家

不安発作のことを
パニック発作・パニック症状と
云うこともありますが、

昔から、不安発作と呼ばれてきました。

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ちなみに、宮本輝氏の場合には
不安発作を繰り返すことで、

不安神経症〟の状態へと
病像が進んだことが分かります。

| 急性の不安発作 |


それは急性の状態である。
ごく短い前兆を自覚することもある。
たとえば、頭が急に軽く感じる、頭がクラクラする感覚がある、頭が熱くなってくる、などと表現されることがある。

それに続いて、自律神経症状を主とした自覚症状があらわれてくる。
動悸、胸苦しさ、頭や体の震え、手足のしびれ感、血が引いてゆく感覚、めまい、悪寒、冷や汗など。

それに引き続き、強い不安が迫ってくる。いても立ってもいられないような、いまにも死ぬのではないか、わけが分からなくなって取り乱してしまうのではないか、などの恐怖感が襲ってくる。

高橋 徹・精神科医

     ●●●

突然こうした発作に襲われると、
誰しもが

何かの病気の前触れではないか」と
不安になります。

そして、実際に
クリニックや病院を受診して
検査をしてもらいますが、

重大な病気につながるような
 異常は特に見当たらない

と告げられたりします。

中には
(医者や看護師から)
 神経症です、と云われた

という方もいらっしゃいます。


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心臓に病的な状態がなくても、

人は、精神的な要因によって
動悸を訴えるような場合も

決して少なくありません。

最近では、発作に襲われて
病院や救急外来を受診するという方が、
とても増えているようです。

こうした不安発作の多くは、

軽いものは十分程度、
長くても三十分くらい安静にしていると、
自然におさまっていきます。



( 症例報告から )
デパートへ買い物に行き店内を歩いていると、急に貧血を起こして、頭がクラクラして、胸が苦しくなって、頭から血が引いていく感じが何度もして、激しい不安に襲われた。

息苦しさを覚え、動悸がして、今にも死ぬのではないかと恐ろしかったが、体がヘナヘナして動けなかった。
十分ぐいらしてから、店員に頼んでタクシー乗り場までついて来てもらい、タクシーで近くのクリニックへ行った。


・・・・・・・・・・・

六・七年前から年に一・二度、入浴時や激しく動いたとき、心的緊張などの時に、発作的に動悸のすることがあった。
某年七月、機械を修理するため、高い台に飛び乗った途端に動悸が起こった。

当時、患者は心身ともに、非常に疲労していた。
これまでならすぐ止まる動悸が、なかなか止まらないばかりか、そのうち息苦しくなり、手足が痺れ、頭がぼんやりしてきた。

患者は死への不安に襲われ、工場内の診療所へ運んでもらった。



| 不安神経症とは |


〝不安神経症〟というのは、

漠然とした不安感だとか
あるいは、強い予期不安から

たとえば、
電車に乗れなくなってしまったり。
人混みの中に行けなくなったり。

・・・というように、

それまでの生活や行動が
困難になってゆく状態を云います。

そのために、
仕事を失うような事も起きてきます。

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1980年代くらい迄は、

道に落ちている犬の糞を
知らずに踏んでしまうのではないか

・・・という不安や恐怖感から、

外を歩けなくなる神経症の方が
しばしば見られました。

| 不安発作から不安神経症へ |


宮本輝氏のケースのように

急性の不安発作が、一過性で終わらずに
二度・三度と繰り返されたり。

あるいは、
不安発作以後に
身体の不調感が続くようなケースでは、

不安神経症の状態へ
病像が進んで行きやすいことが
云われています。

不安発作のケースは少なくない。
内科外来や救急外来などでは、しばしば見られるが、多くは一過性で終わる。

しかし中には、その後漠然とした不安感や体の不調感を抱えるようになったり、再度不安発作を起こして、繰り返してゆくことがある。

そうした状態が続くと、様々な不安症状をあらわすようにり、不安神経症になってしまうケースがある

高橋 徹・精神科医


( 症例報告から )
仕事で車を運転中に突然、動悸、発汗、呼吸困難、からだの震えが生じて、死の恐怖に襲われた。
車を止めて休んでいると、症状は消失したが、頭の重さや倦怠感が、ほぼ毎日続いた。


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職場で急に息苦しくなり、動悸がして、「今にも死ぬのではないか」という恐怖におそわれ、落ち着かなくなった。

上司に申し出て、近くの内科を受診した。検査の結果、重大な病気の前兆ではないと云われ安心する。

しかし数日後に、出勤途上で再び発作を起こし、それ以来なんとなく落ち着かない気分が続き、頭がフラッとしたり息苦しくなるなどの状態が、繰り返し起こるようになる。


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通信制高校に入学したが、第一回目のスクーリングの日、昼休みに最初の発作があった。

突然、喉頭部がしめつけられるような感覚がしたかと思うと、息苦しくなって、心臓の鼓動が高まり、全身が震え汗が吹き出してきた。
苦しくなって、このまま死んでしまうのじゃないか、と不安になり医務室に連れて行ってもらう。
しばらくして発作は自然におさまった。

それからスクーリングでの休み時間になると、時々発作が出現するようになった。


| カウンセリングの意味 |


カウンセリングに幾度かいらして
お話しをされていくうちに、

話しをするって大切なんですね

改めて、そうおっしゃる方も
いらっしゃいます。

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「症状」だけへの対応になってしまうと、

かえって状態像が
複雑化しがちかも知れません。


カウンセリングは薬ではなく、
お話しをしてゆくことを通して

神経の緊張をといていったり、
心身のストレスや不安を緩めたり、

少しずつ
心や気持ちを整理してゆくことを

大切にしているものです。


カテゴリー心と身体








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