コーピングとしての症状

コーピング・ストレス対処行動


| 臨床に即した見方 |


コーピング(coping)の説明を読むと、

ストレスに対する意図的な対処行動」と
説明されていることが多いようです。

身近な例で例えると、

イライラするから
ドライブで気晴らしをする。
飲んで憂さを晴らす。
・・・というような事になります。

しかしそれでは、
単に「教科書的な説明」の印象です。

カウンセリングを含めた臨床行為では、
語彙の定義を覚えるだけでは
仕事は出来ません。

カウンセンリグでいえば、
できる限りご相談者の内実に即して、

コーピングという概念を
理解する必要があります。

そのためには、
少し遠回りかも知れませんが、

まず「症状」というものの意味から、
コーピング(対処行動)を
捉え直してみることが、大切かも知れません。


| 症状とは |


木村 敏氏(精神科医・精神病理学)は、
『臨床哲学講義』の中で語っています。

症状そのものは病気ではありません。
身体の症状の場合でも、生体が自己防衛のた
めに、そういう症状を出しているわけです。
だから、すぐに解熱剤や頭痛薬で安易に
症状を取り除くことは、考えものなのです。
「症状」は病気ではありません。本当は病気
(症状をもたらしている元にあるもの)
治さなくてはいけないので、症状はむしろ
体が病気に反応して出しているものなのです。
精神的なものも同じです。


神田橋條治氏(精神科医・精神療法)は、
木村敏氏の意味を、
別の言い方で表現しています。

症状は自然治癒力の関与を
幾分含んでいますから、
おおむねコーピングの志向や意味合いを
備えています。


上の意味からすると、
カウンセリングを含む臨床行為では、

症状として表われ出ているものは、
 すべてコーピングとしての意味が
 あるかも知れない

・・・そう考えてみることが
大切になるようです。

症状の羅列をもってして、その人を理解する
ことはあり得ない。
症状にはそれなりの意味があり、歴史があり、
必然性があって、あらわれてきているのであ
ろう。そういった背景を無視することは、
臨床家のなすべきことではないのである。
          小倉 清 精神科医

中井久夫氏(精神科医)は
「(症状とは)原因というより結果である
・・・そう語っています。


たとえばリストカットも、

ただただ痛いだけ、であれば
繰り返し行なわれるようなことは
ないかも知れません。

そこには、
ただ痛いだけではない何かの
精神的・生理的な作用が存在している

・・・そう考えたほうが
むしろ自然です。


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