「症状の捉え方」について

「症状」内にあるもの・外で感じるもの



カウンセラーやセラピストであれば、
ご相談者の方とお会いしている時には
いつも、
次のような思いでいるはずです。

「いま、この方は、どんな状態や気持ちで
 いらっしゃるのだろろう・・・」

「どんな関わり方が、今のこの方にとって
 より良いものになるだろろう・・・」

この思いは、初回はもちろんのこと

十回目であろうと二十回目であろうと、
面談でお会いしている時には、
常に働いている思いです。

そうした時に、目印の一つとなるのが
「症状」と呼ばれているものです。


| 症状と徴候(ちょうこう) | 


臨床的な観点からは、
「症状」には二つのものがあります。

一つは、本人自身が感じ訴える「症状」。
これを
「症状」または「自覚症状」と云います。

もう一つは、
医者やカウンセラー・家族・友人など
本人以外の人が、
本人の様子や雰囲気・言動を外から見て
感じたり認知する「症状」。

これを「徴候(ちょうこう)」と云います。

徴候のことを
「他覚症状」とも呼びます。

他者によって感じ取られる症状、
という意味です。

しかし普段は、あまり言い換えたりせず、

どちらも症状と云っています。

たとえば普段の生活の中でも、人から
「あなたは○○のように見える」と云われて、
「自分はそんなんじゃない」と憤慨する、
みたいなことがあります。

それは「症状」と「徴候」の
日常版のようなものかも知れません。

そして、
訴えられる症状(自覚症状)と徴候とを、
併せて把握してゆくことで、

お医者さんならお医者さんなりに、
カウンセラーならカウンセラーなりに、
その人の状態を理解してゆく手がかりに
なっていきます。

これを「状態像」と云います。

「症状(自覚症状)」と「徴候」とは、
どちらを欠いても
ご相談者(患者さん)との
より良い援助関係を見出してはゆけません。


| 内側で感じるもの・外から感じるもの | 


中安信夫氏(精神科医)が
このように述べています。

私は長い間大学病院におりまして、多くの研
修医を指導してきましたが、研修医が行なう
最大のミスは、患者の表出(外側から捉えら
れ得るもの)は〝見えても見えず〟。患者が
語り訴える症状や体験は〝聞いても聞こえず〟
で、徴候と症状を、把握できないことに起因
する。

あらかじめ申し上げておきたいのは、
カウンセンリグと精神科診療とは、
そもそもまったく別のものです。

その目的とするものも、
面談の中身・やり方も、別のものです。

そしてカウンセリングでは、
「徴候」とか「状態像」という言葉も
余り使われません。

ただし、
カウンセリングでいうと、

ご相談される方が
お話しされたり訴えて下さるものと、

ご一緒に対話をしている中で
自ずから感じられてくるものとを併せて、

〝何か〟を見出してゆく
・・・ということには、変わりありません。

ですので、
傾聴だけで済む場合には
(もちろん傾聴自体も、
 本当に身に付けるには
 長い間の訓練を必要とします)
まだよいのですが、

カウンセリングを通した援助関係を、
ご相談者との間に
ご一緒に作り出してゆく必要のある時には、

実際にお会いすることなく、
オンラインやお手紙、メールだけで
関わってゆくことは、

片方が欠けた状態で行なうことになる、
ということを
自覚しておく必要が出てきます。




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