

相反する二つの気持ちと感情・葛藤
| 葛藤に苦しむ時 |
たとえば、頭や理性では
「こうすべき・・・」
「こうした方がいい」そう思っているのに
いざ実際にその場になると
むしろ
それに反するような行動をとってしまう。
あるいは、
「こうしたい」という気持ちがあるのに
いざとなると
それとは逆の態度や行動が出てくる。
それが些細な事であれば
「あ〜、またやっちゃった」で
済むことでしょう。
しかし、それが例えば
仕事の場や人付き合いの場面だったり、
育児・子育てなどの事になると
いろいろな問題が生じてきますし、
後々、後悔するようなことが
あるかも知れません。
例えば
次のようなご相談も存在します。
仕事などで、そんなつもりで言ったのではないのに、という受け取られ方をされて相手を怒らせてしまうことがあります。
関わる人たちも多くなって、相手の立場なども考えて話さなければならない、と冷静な時には思うのに、その場になると出来ない自分がいて、悩んでいます。
ご相談者からの言葉・感想
▷▷ ご相談者からの言葉・感想

| 葛藤の奥にあるもの |
このような場合には
「こうした方がいい」「こうすべき」
そう思っている自分のさらに奥に
そうすることを妨げている
あるいは
そうすることに抵抗している
もうひとつ別の強い気持ちや感情が
隠れていることがあります。
このように、ある事に対して
二つの相反する気持ちや感情を抱え
自分自身で悩んだり苦しんでいく。
そのような状態を指して
「葛藤が存在する」
「葛藤状態にある」と云います。
葛藤にある状態を指して
「アンビバレンツ」とも云います。
| 周りを悩ませる人 |
もしも、葛藤状態にあることを
自分自身がまったく悩まない人は
こんどは周りの人を
どこまでも悩ませる存在になります。
何故なら
「周りが悪いんで、自分は何も悪くない」
そういう人になるからです。

| 対人関係の場面 |
「葛藤」というものを考える時に
やはり、対人関係の場面は
避けて通れないものです。
何故なら、他者と接する場面は
葛藤感情というものが
盛んに活動しやすい場だからです。
たとえば
夫婦の間で生じる葛藤感情は
夫婦関係を拗(こじ)らせたり
衝突させていく要因となります。
大きな破綻に連鎖してゆく前に
気持ちを整理してゆく必要が
あるかも知れません。
あるいは、深刻な葛藤感情では
嫌われたくない。
でも、関係が近しくなること、
関係が深くなっていくことも怖い。
対人関係で、このような葛藤感情を
抱える方もいらっしゃいます。
そして、相手から好意を向けられたり、
相手に対して好意を感じると
この葛藤が更に強くなっていきます。

| フラッシュバックとの関係 |
場合によっては、こうした葛藤感情に
心のフラッシュバックというものが
関係していることがあります。
多くのフラッシュバックでは
感情や感覚だけが反復想起されるために
フラッシュバックが起きているとは
本人自身もわかりません。
そして、
フラッシュバックのきっかけとなるものも
〝些細なこと〟が多いために
相手からすると
「そんな事くらいで、どうしてそんな?!」
となって
関係が壊れてゆくケースも拝見します。
たとえばですが、
子育ての中ではこんな事もあります。
お母さんご自身が
寂しかったり、 甘えたかった気持ちを
じっと我慢して育ってきたような場合
子どもがぐずったりした時などに、
「もっと抱っこしてあげたい」
・・・そう頭で思ったとしても
素直に身体が動かなかったり。
抱っこすることに対して、
とても苦しい気持ちになってしまう
・・・そういうケースがあります。
わたしは、どんなに寂しいときでも、一人で我慢してきたのに、どうしてあなただけ、かまってあげなくてはならないの!!
ふたつの気持ちが
ケンカを始めてしまうのです。
それはお母さんが冷たいからでも、
愛情が足りないからでもありません。
そこには、深いわけや理由があるのです。

| 心を整理してゆく |
葛藤の中には、もしかすると
あなたご自身の
解決されずにいる思い
わだかまり続けている気持ちが
「何かを訴えている」
・・・のかも知れません。
散らかって
何処から手をつけていいのか
分からなくなってしまった部屋の中を
一緒に少しずつ片付けながら
心の整理をしてゆく。
カウンセリングでは
そうしたことを行なっています。
カテゴリー【こころの物語】