
葛藤に苦しむとき、
心の奥では何が起きているのでしょう。
「葛藤」とは、
相反する感情や思いがぶつかり合って、
心が悩み苦しむ状態をいいます。
たとえば、頭では
「○○するべき」「○○した方がいい」
そう考えているのに、
実際にその場になると
そう出来ずに(せずに)
衝動的に反対の言動をとってしまう。
この記事では、
カウンセラーとしての経験から
葛藤という心の仕組みを振り返りながら、
〝葛藤に寄り添う〟ことで
心の堂々めぐりから変わってゆくことを、
お伝えしたいと思います。
葛藤がもたらす影響
強い葛藤であるほど、
現実に様々な問題や苦しさを生み出して
葛藤の悪循環に落ち込むことがあります。
生きづらさにつながる場合
それが些細な事柄であれば
「また次の機会にしよう」で済みます。
しかし、人と交わる場面だったり、
子育て、夫婦関係などの場面では
ひどく後悔することが出できたり。
それだけでなく
「自分はダメだ」と落ち込んだり。
考えているようには出来ない自分に
自己否定感を抱えることにもなります。
そして、こうした心の悪循環が
さらに自分を苦しめることになって、
〝生きづらさ〟へとつながるかも知れません。
カウンセリングには
たとえば、
次のようなご相談もいただきます。
仕事などで、そんなつもりで言ったわけじゃないのに、という受け取られ方をされて、相手を怒らせてしまうことがあります。
ある上司に「逃げ場をなくしてしまうような言い方をしている、だから相手が攻撃的になるんだ」と、言われた時があります。
利害関係や相手の立場なども考えて話さなければならないと、冷静な時には思うけれど、その場になると出来ない自分がいて悩んでいます。
ご相談者の声から
葛藤の奥にある“もうひとつの気持ち”
上のご相談のように、
失敗や後悔を繰り返してきて
「○○するべき」「○○するようにしたい」
そう考えているにもかかわらず、
いざその場になると
これまでと同じ行動をとってしまう。
このような場合には
次のようなことがあるかも知れません。
そうすることを妨げている、
場合によっては
そうすることに抵抗している
もうひとつ別の強い感情や思いが
自分でも気づかない心の奥に生きている。
このような
“相反する気持ちや感情”を同時に抱えて、
理性的な態度を難しくさせている状態。
これを心理学では「葛藤状態」と呼びます。

自分でも気づかない心の奥に、
消化できずにいる思い、
解決されずにいる強い感情が
いまも生きている。
そのため、いざその場になると
そうした思いや感情が、
無意識のうちに
心の奥から湧き上がってきて、
頭で考えていたようには、出来なくさせてしまう。
もしそうだとすると、
いまだ消化されずにいる思いが
そこに現れ出ている
・・・そう言えるかもしれません。
葛藤に寄り添うという道があります
たとえば、
人を支える立場にいる方が
強い葛藤を抑えている場合などは、
何かのきっかけで外に現れ出た時に、
思いもかけないような事態(トラブル)を生んでしまうことがあります。
しかし、だからといって
内に抑え続けているばかりでは
身体やメンタルの症状となって現れたり、
ストレス解消の出口を求めて
色々な行動となって出てくることがあります。

では、葛藤があるにもかかわらず、
それを自分事として悩まない人は、どうでしょう。
その場合には、
「周りが悪いんで、自分は何も悪くない」
という困った人になってしまいがちです。
しかし、どの道でもなく
「心の葛藤に寄り添う」という
もう一つの道があります。
子育ての中で生まれてくる葛藤
育児や子育てをしている女性から
次のような訴えをお聴きします。
子ども(赤ちゃん)と接している時、ふとした瞬間に、小さかった頃の悲しかった記憶が、よみがえってくることがあって、子どもと接していることが辛くなったり苦しくなることがある。
子育てや育児が楽しめるようになるために、
ご一緒に気持ちを整理しながら、
つらかった思いを消化していきます。
二者関係における葛藤
「二者関係」とは
心の距離がとっても近しい関係のこと。
別名「あなたとわたし関係」と言います。
具体的には
恋人・夫婦関係などですが、
「内的関係(心の関係)」という意味では、それに限りません。
二者関係への葛藤ということでは、
たとえば
嫌われるのは怖い
だけど、関係が近しくなるのも怖い・・・
このような葛藤感情を抱えている方も
いらっしゃいます。
相手から好意を向けられたり、
自分が相手に対して
好意や恋愛感情を感じると、
この葛藤がさらに深刻になります。
カウンセリングがおこなっていること
葛藤の中には、もしかすると
あなたご自身の
消化されずにいる思い、
解決されずにいる心の出来事が
どこかで何かを
訴えているのかも知れません。
しかも、葛藤をもたらす
〝心の奥で生きている思い〟の中には、
二重三重に心の中に折りたたまれて、
自分自身では
気づきにくくなっている場合があります。
カウンセリングでは
自由な気持ちでお話しいただきながら、
奥に生きている気持ちや思いに、寄り添ってゆく・・・
そして、
次のように打ち明けてくださる方も
いらっしゃいます。
これまでと違う対応をすると、なんだか自分じゃなくなったような感じがする時があって。
でも、また以前と同じ対応をしてしまう時もあって・・・
これでいいような、悪いような。
うまく言えないんですけど、
迷っているような、すっきりしているような、正反対の感覚を感じています。
ご相談者の言葉
カテゴリー【こころの物語】
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