

| はじめに |
カウンセリングをしていると
ときどき
「ふたつの心・ふたつの気持ち」
ということが
大切なテーマとなることがあります。
| 相反する気持ちに出会う |
わたしたちは、
いろいろな気持ちや心を抱えながら
今・この時を生きています。
矛盾する気持ちや心を、
一緒に抱えていることだって
ごく自然なことです。
それが、ありのままの当たり前な姿です。
そういう意味からすると、
反対に、心が一色に染まっている時ほど
注意が必要なのかもしれません。

矛盾する気持ちというのは
たとえば
「こうしてみたい」
「あんなふうにやってみたい」
そう思う気持ちがあると同時に、
その一方では
「そんなことはしたくない」
「あんなふうにはなりたくない」
という気持ちが起きてきます。
どちらが本当の気持ち、
というのではなく
どちらも、ありのままの気持ちや心、
と云えるかも知れません。
ある時は右になり・・・
ある時には左になり・・・。

| ケンカを始めてしまう |
たとえば、或る人が
自分は他の人のように
人とうまく接すること出来ない。
そう悩んでいたとします。
もっと近しく付き合ってみたい
・・・そういう思いがあるとします。
でも、わたしたちの中には
「ふたつの心」があって、
互いにケンカをしている場合があります。

たとえば、
人と近しくなる、というのは
喜びや楽しさを運んできてくれる反面、
煩わしさや苦痛を感じること・
感情が乱されることなどもあります。
場合によっては、むしろ
煩わしさや苦痛の方が
大きいことだってあります。
そうした事を我慢するくらいなら
「いっそ距離を置いて接した方がいい」
そう感じる人だって
当然いらっしゃることでしょう。

| 一つずつ確かめながら |
わたしたちは
ふたつの心の間で
揺れ動いていることがあるのです。
たとえば、
カウンセリングの中で
わたしには●●●のところがあって、
どうして自分はそうなんだろうって悩
んできた。そうしたところを変えてい
きたい、どうにかしたい。
そうした訴えを、お聞きしたとします。
そんな時、すぐに
「ではその為に、こうしてみましょう」
「こうやってみましょう」
みたいな対応になることが
あるかも知れません。
しかし、人の心や内面は
複雑系の世界です。
援助する側が、
虫を見つけたカエルのように
飛びつくばかりでは
そのうちに、行き止まりにぶつかり
右にも左にも行けず、
引き返すことも出来ないことに
なりかねません。

| 遠回りが近道ということも |
訴えを大事にお聴きしながら、
それと共に、ご一緒に整理し
理解し直してゆく中で
「もしかすると自分は、そうしたい
(なりたい)とは思っていないのかもし
れないですね」
「わたしは、本当に良くなりたいと思っ
ているのかなあ」
たとえば、そんなふうに
もうひとつの気持ちに
気づいてゆく方がいらっしゃいます。
実は、ここから
本当の意味での大切な一歩が
始まることがあります。
遠回りのように見えるでしょうか。
でも、遠回りのように見えて
結局は一番の近道
・・・ということがあるものです。
カテゴリー【こころの物語】



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