

| 気持ちの臨界点とは |
物質の世界には
臨界点(りんかいてん)とされる現象が
存在しています。
人の気持ちや心にも、
目には見えないけれども
臨界点というものが存在する、
と感じています。
そして、
気持ちや心の臨界点に達して、
それを超えてしまうと
その前までの気持ち・
その前までの関係に戻ることが
とても難しくなる現実があります。
・・・と云うよりも、
前までの関係には戻れない、と
云えるかも知れません。
戻らないし、戻れない・・・。
ここで申し上げる「臨界点」とは、
主に男女関係でのことを
述べています。
こうした気持ちの臨界点が、
男女の関係には存在します。

| 物質の臨界点とは |
物質の臨界点とは、
次のように説明されています。
物質が、その状態を変える分岐点。
たとえば
水という物質を例にあげると、
液体である水が
沸騰して気体に変わる分岐点。
固体である氷が
溶けて液体である水に変わる分岐点
・・・というふうに。
| 心が折れたようになる |
物質であれば、この水のように
臨界点を繰り返すことで
また元の状態に戻ることが可能です。
でも物質とは違って
人の心や気持ちの場合には、
戻ることが難しくなります。
それを多くの人は、
「こころが折れてしまった」
と表現されたりします。
あるいは
「もうダメなんだ」
「もう、どんなことをしてもダメなの」
そんなふうにも語ります。
それが言葉ではなく、
身体の症状として
現れることもあります。

| カウンセリングの場から |
たとえば、奥さんの心が
臨界点に達したような状態になって、
カウンセリングにお越しの男性も
いらっしゃいます。
たとえば、
妻から、これ以上一緒に暮らすのは難しいと告げられた。夫婦仲を修復してやり直しを希望しているが、どうすればいいのか見当がつかない。
そのようなご相談で
カウンセリングにお見えの方たちも
いらっしゃいますが
その後に、奥さんとお二人で
いらっしゃるようなケースでは、
たとえ別居に至っている場合でも
女性の心が、臨界点の間を
まだ揺れ動いていることが
しばしば見られます。

| 臨界点を超える前に |
デリケートな現れなので
もしかすると
分かりづらいかも知れませんが、
上でも記したように、
女性の心が、臨界点の間を
まだ揺れている場合も多く見かけます。
修復を望むのであれば
そうした時に
「こうまで云われるということは、
もう無理に違いない」と
投げやりになったり、
悲観的になり過ぎるのは
良い結果をもたらしません。
本音というと
〝いま感じている気持ち〟と
思いがちですが、
傷ついた心による〝今の気持ち〟は
見せかけのものです。
その奥にこそ
〝本音〟の気持ちがあるのです。

カウンセンリグでの経験から
申し上げると、
奥さんの気持ちを
臨界点の手前に引き戻すのも、
あるいは
臨界点の向こうに追いやるのも、
そこで、冷静に根気よく
相手の話に耳を傾けて、
話し合えるかどうかに、かかっています。
そうした事も、カウンセリングでは
こ一緒に話し合ってゆきます。
カテゴリー【男女関係】