「症状の布置(ふち)」とは

「症状」を考える・症状の布置について


| 〝症状の布置〟の意味 | 


「症状の布置(ふち)」とは、
聞き慣れない言葉かも知れません。

ただ、カウンセリングにしても
精神科治療にして、
そうした臨床行為では

「症状布置」に対して意識的でなくては、
より良い治療的な関わりを
見出せなくなります。

〝症状布置〟とは
どのようなことでしょう。

たとえば、中安信夫氏(精神科医)が
このように語っています。

たとえば、患者に抑うつ症状を認めた場合、
わたしならば、「それは原発症状なのか、
それとも何かに起因した続発症状なのか」を
鑑別(見分け判断すること)するように

心がけます。
そして抑うつ症状が反応性のもの(内因性

のうつ病のものではなく、何か失意を引き
起こすような出来事から直接的に生まれて
いるもの)と判断されたとしたら「そうし
た反応を引き起こした心因はなんだったの
だろう」かと考えます。
抑うつ症状自体は二次的なものであって、
治療の中心対象になるものではない、と
判断します。

| 原発症状と続発症状 | 


「原発・げんぱつ・症状」とは、
一番最初に起きてきたもの。
あるいは、
複数の症状が見られた場合には
それらの「根っこ」に当たるもの

・・・という意味になります。

「続発症状」とは、
原発症状に関連して、
あるいは
その影響の一端として生じているもの

・・・という意味です。

二次症状・三次症状を
まとめて続発症状と呼びます。

たとえて云うなら、
原発症状が「発注元」で、

二次症状が「元請け」
三次症状が「孫請け」
のようになるかも知れせん。

そして、このように
複数の症状を構成的に捉えてゆくことを
「症状の布置を把握する」
と云います。

これによって
カウンセリングでは援助や関わり・
精神科治療でいえば治療の中心対象が
理解されてゆくことになります。


| 臨床では難しい理由 | 


一般の方たちには
意外に思われるかも知れませんが、

「症状布置」という観点なしに
治療や関わりを行なっているケースを、
しばしば見受けることになります。

症状布置という観点なしの治療・関わりは、
〝行き当たりばったり〟的なものに
なってゆきます。

ただし「症状の布置を捉えてゆく」
というのは、

言葉で云うのは簡単ですが、
実際の臨床行為では、
そう易しいものではありません。

まずは、
そうした観点・意識を持つ必要があります。

その上で、手がかりとなるものは、
主に、ご相談者(患者さん)が語るお話

・・・つまり言語表現を通して、
理解してゆくことになります。

それらを整理しながら、
いかに上手にお聴きしてゆくか

・・・ということが、
とても大事なことになります。

カウンセリング、
あるいは臨床的行為の
最も大切な「要」の部分と云えるでしょう。

思ってらっしゃることを自由に
お話しいただきながら、
同時に、
必要と思われることも、少しずつ
侵襲的にならずにお聴きしてゆく。

ですので、
特にカウンセリングの場合には、
複数回に渡ってお会いする中で
理解されてゆく性質のものになります。

侵襲(しんしゅう)的とは・・・
過度にその人の中に踏み込むこと。
その人の安心感を損なうような行為

・・・を意味します。

そのため、
カウンセリングを含めた臨床行為は、
誰が行なうか、によって
結果に大きな違いが生まれる

・・・と云われています。




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