【カウンセリングの前に / 2】
面談にお越しの際に、あらかじめ
お読みいただけると、幸いです。
わたしの経験から申し上げると
初回では、特に大切なことがあります。
「注意すべきこと」と云ったほうが
良いかも知れません。
それは、どういうことかというと
初めていらしたご相談者の中には
一回の時間の枠の中で
「あらかじめ考えて来たこと・頭にあることを、全部話してしまいたい」
「これまであった事を、最初から全部伝えてしまいたい」
そんなご様子で
お話し通される方がいらっしゃいます。
お気持ちはとても分かる気がします。
中には
「どうしたらいいか」を聞きくために
最初から現在までの事情を
ずっと話し通す方もいらっしゃいました。
反動が起きる
しかしながら、
そのようなお話しの仕方をされると
わたしの長い経験では
結果は、例外なく良くありません。
面談を終えて帰ってから
必ず反動が起こり
良い状態にはならないからです。
せっかくお越しいただいたのに
そのような結果になってしまっては
とても残念です。
前回(初回のこと)は、自分でもすごく一生懸命にいろいろな事を話したと思います。そのせいか、帰ってからすごく疲れてしまって・・・。
せっかく来たからには何か解決につながるようなものを得て帰らなければ・・・という気持ちがすごく強くて、自分でもかなり力が入っていたと思います。
今日は、ゆっくり話しができたらいいな、と思ってきました。
そう打ち明けてくださる方も
いらっしゃいます。
ご一緒に話し合っていく
念のために申し上げると
カウンセリングは
警察の事情聴取ではありません。
カウンセリングにとって
最も肝心なのは「対話」の部分・・・
自由な気持ちでお話しいただきながら
その中で
ご一緒に話し合ってゆく部分になります。
「山歩き」でも初心者は
次のようなアドバイスを受けます。
夢中になって登るのではなくて
軽い会話が出来るくらいのペースで
登っていくことが大切です、と。
カウンセリングも同じかも知れません。
話していた時には感じなかったけど、帰り道の途中で気分がなんとなく落ちついてきて、あのあと二・三日だけど、気持ちが楽でいられました。
うちに着いてから、不思議に気持ちが落ちついて、その日はなんだか穏やかでいられた。
二度目にいらした時に
そう報告して下さる方もいらっしゃいます。
これがとても大事なことだと思います。