大森俊明さん・仮名(体験手記)

ご相談者の体験手記です。

大森 俊明さん(仮名・40歳)

人に言われるまで、自分がおかしな事をしているという意識はありませんでした。

以前から、街の中を歩いていて、特に人混みの中など、急に不安になって、後ろを何度も振り返っしまう時がありました。

誰か、後ろから付けて来るような・・・
追いかけられてるような・・・
そんな不安に襲われて、何度も振り返ってしまうのです。

仕事からの帰り、自宅近くの誰もいない道で、急に不安になって、後ろを振り返り振り返り、帰るような事もありました。

あるとき、結婚したばかりの妻にも指摘され、気になった私は、迷った末に、以前から知り合いだった萩原さんに相談したのです。


その頃、職場でも責任を持たされて、急に風当たりが厳しくなり、 生来器用でない私は、プレッシャーになっていたと思います。

「一度だけなら」と言われ、カウンセリングを受けることになりました。

「それはどんな気持ちからでしょう?」とか
「そこを、もう少し細かく聞いてもいいですか?」などと問われて
最初は戸惑いましたが

やがて、こんなにいろいろなものが自分の心の中に眠っていたなんて、と自分でも驚きました。

小学生の頃の母に叱られたこと・・・
母の言うことを聞かずに
お腹を痛くして学校を休んだこと・・・
あるいは、父とのこと・・・

そして、昔勤めていた会社で、厳しい上司から痛めつけられた記憶が、浮き上がってきました。

不器用で、気の弱い私は、性格的にその上司と合わず、かなり辛い思いをしていました。

会社を変わって十年以上になり、その上司とのことは、過去のものになっていたはずなのに、まだ、私の中に「今のもの」として残っていたんですね。

あのカウンセリング以来、
気がつくと、後ろを振り返るようなクセは消えていました。


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