野神玲子さん・仮名(体験手記)

カウンセリングを経験された方の体験手記です。

野神 玲子さん(仮名・36歳)

私がカウンセリングを受けたのは、
友人との付き合い方に
悩んだことがきっかけでした。

もともと少し
我が儘なところのあった彼女でしたが
年下だし、お互いさまと思って
付き合ってきました。

職場での不満や愚痴を聞いてあげたり、
彼女が家を出てアパートを探す時には
不動産屋さん回りに
付き合ったりもしました。



ある時、会社の仕事が急に入って
会う約束をキャンセルしなければならず、

前の日にメールを出しておきましたが
彼女は不機嫌そうでした。

その日、夜の11時頃に
仕事を終えて帰宅すると、
ポストに彼女の手紙が入っていました。

夜の8時ぐらいにやって来て、
私が帰るのを、家の前で
ずっと待っていたようです。

それ迄は
電話がかかってくると
どんな時にも話を聞いてあげたり、
相談にのったりしたのですが、

さすがにこの時は
仕事で疲れ切っていたこともあって、
付き合いきれない、と思いました。

私の事情に関わりなく生活に入り込み、
しかも「○○さんの為に来ている」
という彼女の感覚に、
もうこれではダメだ、と思いました。



そんな時ある友人から、
私が彼女を甘やかし過ぎている
「共依存」の関係になっている
と指摘されました。

私にはとてもショックでした。

客観的な目で信頼できる助言を得たい
と思いました。

カウンセリングでは
たくさんのヒントをもらいました。

ある友人からからは、
彼女に対してもっと毅然と対応し
突き放すべきだと言われました。

先生からは反対のことを言われました。

彼女は理屈でなく
なにかの感情からそう行動してしまう。

私の家に来てしまうのも、
自分でもどうにもならない行動だから、
その行動を、理屈や常識からだけ
責めたり咎めても
彼女には伝わらないのでは ?

また、彼女は自分の母親を、
厳格で息が詰まるような人だ
と話しており、
私もそんな印象を持っていたのですが、

「家族関係のことは他人には分からないものです。彼女がそう話しているのは、彼女の目を通してのお母さん像・イメージであって、お母さんの側から見た彼女との関係は、また違ったものに見えているのでは・・」
と言われました。

子どもでも、
放っておいても育つ子と、

とても敏感で繊細で、上手に察して、
手をかけてあげなくては育ちにくい子、
親子関係を作りにくい子がある。

誰が悪いのでもなく、
持って生まれた気質がある、
ということでした。

これにはなるほどと思いました。

逞しく生きている彼女のお姉さんと、
お姉さんとお母さんの関係が
思い当たりました。

今までの私は、彼女の目を通してしか、
彼女の訴える家庭の状況を
見てなかったことに気づきました。



お話をしているうちに
彼女に振り回されていた自分
というものに気づき、

こういう関係はお互いにとって良くない、
もうやめようと思いました。

私にとっては
彼女とのことだけではなく、

自分の人生経験を
客観的に振り返るという意味でも、
とても大切な時間だったと思います。

 
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