上山英樹さん・仮名 | カウンセリングを振り返って

ご相談者の体験手記です。

上山英樹さん(仮名・35歳)

手記 (1)
8回目の面談後のものです。

人間関係で何かストレスを強く感じると
そこから逃げたい気持ちが強く働いて
なんだかんだと理由をつけては
学校や会社を転々と変えてしまうことを、10年以上も繰り返していました。


実家にいた時期が長かったので、金銭的に楽な環境が、そういう行動に拍車をかけていた、とは思います。

でも一人暮らしを始めて生活が苦しい時も、それは変わらず、何故そうなってしまうのか、理由を自分でも掴めませんでした。

私は、人の表情をすごく気にします。

そして相手の表情の中に強い不快感のような、あるいは、怒りのようなものを感じると
それが自分に向けてのものかどうか、定かでない時にも、そこから、とても逃げ出したくなります。

「単に臆病なだけ」
「ケンカらしいケンカの経験がないから」
などと、自分では思っていました。

でも今は、本当の理由は
別に幾つかありそうだ、と思っています。

その一つは、
先生と話していて気づいたのですが

愛情が欲しかった自分は、
理由は分りませんが
「いろんな事を常に心配しないと、愛情が貰えない」と幼子心に思っていたようで

それ以後は、クセのように(無意識に)
それを行なうようになっていました。


幼い頃の記憶は曖昧ですが、
そんな風に思えるようになってから
少し、肩の荷が軽くなったように思います。

気にし過ぎる傾向が少なくなり
余りクヨクヨ悩まなくなった感じです。

カウンセリングは、身近な人には話しにくいような話を、ちょっと聞いてもらうようなつもりで試しに行ってみるのも、良いかと思います。


手記 (2)
13回目でのカウンセリング終結後に
書いてくださったものです。

カウンセリングを通して、人とコミュニケーションをとることに対して、大きな怖れを持っている自分に、改めて気づくことが出来ました。

高校時代の登校拒否を始まりに、社会人になってからも人と関係を作ることを苦手として、人とのコミュニケーションを避ける傾向がありました。

人とコミュニケーションをとる時に
どうして良いのかよく分らない事が多く
いつも逃げ腰になっていたと、今は思います。


もしかすると人から見れば、簡単に分ることだったかもしれませんが、「見たくない自分」を見つめることは、自分自身だけではとても難しいことで

自分だけでそれに気づくことは、うまく出来ないものだということが、今は分かります。
でもカウンセリングを通して「見たくない自分」を少しだけ見ることが、私にも出来たように思います。


お陰で、人とコミュニケーションを図る時も、心の奥にある自分の気持ちを理解できているので、変な怖れを抱かずに、以前に比べて積極的に、人と話せるようになったと思います。

また、うまく話せない時にも、理由がだいたい分るので、そんな自分にイラつくことが、減ったようにも思います。


上林さんはその後、奥さんの故国であるイギリスに移住し、旅行した時の写真を、送ってくださいました。


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