
カウンセリングを経験された方の
体験手記です。
上山英樹さん(仮名・35歳)
人間関係で、何かストレスを強く感じると、そこから逃げたい気持ちが強く働いて
なんだかんだと理由をつけては
学校や会社を転々と変えてしまうことを、10年以上も繰り返していました。

実家にいた時期が長かったので
金銭的に楽な環境が
そういう行動に拍車をかけていた、とは思います。
でも一人暮らしを始めて生活が苦しい時も、それは変わらず
何故そうなってしまうのか
理由が自分でも分かりませんでした。

私は、人の表情をすごく気にします。
そして相手の表情の中に強い不快感のような、あるいは、怒りのようなものを感じると
それが自分に向けてのものかどうか、定かでない時にも、そこから、とても逃げ出したくなります。
「単に臆病なだけ」
「ケンカらしいケンカの経験がないから」
などと、自分では思っていました。
でも今は、本当の理由は
別に幾つかありそうだ、と思っています。
その一つは、
先生と話していて気づいたのですが
愛情が欲しかった自分は、
理由は分りませんが
「いろんな事を常に心配しないと、愛情が貰えない」と幼子心に思っていたようで
それ以後は、クセのように(無意識に)
それを行なうようになっていました。

幼い頃の記憶は曖昧ですが、
そんな風に思えるようになってから
少し、肩の荷が軽くなったように思います。
気にし過ぎる傾向が少なくなり
余りクヨクヨ悩まなくなった感じです。
カウンセリングは、身近な人には話しにくいような話を、ちょっと聞いてもらうようなつもりで試しに行ってみるのも、良いかと思います。
体験手記【2】
13回目でのカウンセリング終結後に書いてくださいました。カウンセリングを通して、人とコミュニケーションをとることに対して、大きな怖れを持っている自分に、改めて気づくことが出来ました。
高校時代の登校拒否を始まりに、社会人になってからも人と関係を作ることを苦手として、人とのコミュニケーションを避ける傾向がありました。
人とコミュニケーションをとる時に
どうして良いのかよく分らない事が多く
いつも逃げ腰になっていたと、今は思います。

もしかすると人から見れば、簡単に分ることだったかもしれませんが、「見たくない自分」を見つめることは、自分自身だけではとても難しいことで
自分だけでそれに気づくことは、うまく出来ないものだということが、今は分かります。
でもカウンセリングを通して「見たくない自分」を少しだけ見ることが、私にも出来たように思います。

お陰で、人とコミュニケーションを図る時も、心の奥にある自分の気持ちを理解できているので、変な怖れを抱かずに、以前に比べて積極的に、人と話せるようになったと思います。
また、うまく話せない時にも、理由がだいたい分るので、そんな自分にイラつくことが、減ったようにも思います。
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上林さんはその後、奥さんの故国であるイギリスに移住し、旅行した時の写真を、送ってくださいました。
