
スポーツとカウンセリング
| はじめに |
スポーツ選手やアスリートの
メンタル・トレーニングとして
イメージトレーニングやコーチングなどは
既によく知られています。
その二つ以外にも
ご存知のように、今や多数存在します。
しかし選手が
競技で自分の持てる能力を
十分に発揮するための心理的条件
・・・というものは
余りよく知られていません。
選手やアスリートが
持てる力を十分に発揮したり、自分の記録を伸ばしてゆくようなパフォーマンスを発揮するには
心理的に
次のいずれかの状態が必要となります。
| 心理的な条件 |
ひとつは、
コーチから「無条件の愛」を感じ、
同時に自身もコーチに対して「全幅の信頼」を寄せ、コーチの「無条件の愛と期待」に応えたい、と強く願っているとき。
もうひとつは、
他人や相手がどうであろうと
自己に集中し、自分自身を信じる、という気持ちになっているとき。
選手が、自分自身の能力を発揮するようなパフォーマンスをあらわすには、心理的な面でいうと、この二つのいずれかにある時・・・
そう云われています。
逆に云えば、人に賞賛されたい
相手に勝ちたい・失敗したくない・・・
そうした
「人に認められたい」という感情が
動機の前面に出ている場合には
筋肉や身体に過度な緊張を生じ、
結局は、望むようなパフォーマンスを発揮することは難しくなります。
「ご相談者の言葉・感想」から・・・
報告ですが、全日本●●●●第●戦で、今季初の入賞(6位)を果たすことができました。
カウンセリングの後も、自分なりに何が焦りを生んでしまっていたのか、色々と考えてみて、スタートラインに並んだところ、
思った以上に冷静に、一つ一つのコーナーを攻めきることができて。これには本当に驚いていまして(なんせ●●戦連続で入賞をのがしていたので)。
そのキッカケをいただいたこと、本当にあり難く思っています。
| カウンセリング的な支援 |
こうして考えてゆくと、
カウンセリングというものが、とても大切な意味を持つことが分かります。
何故なら、上に書いたようなコーチ=選手関係は、誰もが望んで得られるものではありません。
むしろ多くの現実は
コーチや指導者との関係に悩んだり、傷つけられていることは、とても多いものです。
であれば、「他人や相手がどうであろうと、自分を信じる」という自己信頼心が、とても大切なものになります。
それはコーチングやイメージトレーニングだけでは、到底サポートできないものです。
単なるメンタル・トレーニングというだけではない、カウンセリング的な支援が必要とされます。
「ご相談者の言葉・感想」から・・・
趣味でやっているバレーボールの試合で、かなりきつい失敗をしてしまい、それ以来今まで出来ていたプレーもできなくなってしまいました。
なんとかしたくて、一人でもがいてますが、毎回失敗を繰り返してますます傷つく、という悪循環です。
そちらで心の立て直しをしたいと思っています。
| ある国立大学でのケース |
ちなみに、ある国立大学の例ですが
入学してきた体育系・スポーツ系の学生の心理テストをおこなうと、
その六割に、すでに「抑うつ傾向」が見られる、と云います。
競技生活を通じて
傷つき体験を繰り返すことで
すでに抑うつ的になっている。
元気でハツラツしているのは二割くらい。
不思議なことに
この割合は毎年変わらないそうです。
実際に、引退したり競技から離れた後
抑うつ状態に陥ったり、
過食嘔吐や摂食障害、引きこもりなどに陥っていく人たちも、かなり存在することが知らせています。
選手たちの心や人生全般を、視野に入れたサボートが、とても大切になるのではないでしょうか。
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